不登校・ひきこもりへの対応を学ぶ勉強会 認知行動療法
平成24年度の日程は終了しました。
ご参加ありがとうございました。
安養寺フリースクールでは、平成20年度より不登校や不登校傾向にある児童・生徒の保護者、または社会的ひきこもり状態にある方の保護者を対象にした、勉強会を行っております。
この度、講師に臨床心理士を招き、認知行動療法・家族療法を軸とした全5回の勉強会を開催いたします。認知行動療法は、私たちの感情や行動に重要な影響を与えている認知＝考え方に焦点を当て、考え方の変化に働きかけることを通して、感情や行動の変化を促す心理療法です。不登校やひきこもりの状態にある子どもは、ネガティブな考え方にとらわれ、その結果ネガティブな感情や行動を取り続けていることがよくあります。
家族療法は、家族の中のコミュニケーションの中でうまくいっていない点に変化を働きかけることで、状況の改善を目指す心理療法です。
この勉強会を通して、親が子どもの心や、家族の中で起こっているコミュニケーションについて理解を深めてもらい、子どもの状態にどのように変化を促したらいいかについて、ヒントを得られる機会にしていただければと思っています。参加を希望される方は、下記詳細をご確認の上、どうぞお気軽にお申し込み下さい。
たくさんのご参加をお待ちしております。
| 開催日程 | 日時 |
|---|---|
| 第1回 | |
| 第2回 | |
| 第3回 | |
| 第4回 | |
| 第5回 |
| 時間（スケジュール） | |
|---|---|
| 11時〜12時 | 認知行動療法・家族療法についての説明 |
| 12時〜13時 | 昼食を取りながら歓談 |
| 13時〜14時 | ロールプレイ |
| 14時〜 | 個別相談（無料、希望者のみ） |
- 講師
- 中窪 尚美氏（臨床心理士）
- 参加費
- 無料
- 開催場所
- 〒602‐8288 京都市上京区中立売通千本東入田丸町379-3
- 申込先
- 『安養寺フリースクール 京都校』（NPO法人恒河沙母親の会）アクセス
- TEL
- （075）414‐4192
- FAX
- （075）414‐4192
- anyouji.free.school@gmail.com
報告
１０月１６日 不登校・ひきこもりへの対応を学ぶ定期勉強会 第５回目 報告
臨床心理士 中窪 尚美
本日はシリーズの５回目になりましたが、初参加の３名を加え、１２名の保護者の皆さんにお集まりいただき、にぎやかな会となりました。
初めに４回目までのまとめをお話しさせて頂き、ご自分の認知（考え方）の癖や、子どもさんの認知の癖について振り返ってもらいました。その後、考えたものを発表してもらいシェアしましたが、お子さんの認知の癖としては「自分の成功を無視する」「失敗を膨らませる」など、共通する傾向が見られました。
次に、子どもの性質に応じた働きかけ方の例、子どもの状態に応じた働きかけ方の例を紹介させて頂きましたが、皆さんお子さんのことを思い巡らせながら、真剣に話を聞いておられました。色々な方が積極的に質問をされたり意見を述べられ、よい意見交換の時間となりました。
今日で全５回の勉強会がおわりましたが、参加者の方々が、回数を重ねるにつれ、明るく、元気になっていかれるのを感じることができました。また、親御さんが元気になって子どもに新しい働きかけができるようになったことによって、お子さんの様子が少しずつ変わってきたとの嬉しい報告も沢山聞く事ができました。また、同じ参加者の方々が続けて来て頂くことによって親御さん同志のつながりが深まっていったことも、参加者の支えになっていたのではないかと思います。今後も保護者がきずなを深められるよう、シリーズでの勉強会を提供していけたらと思っています。
9月18日 不登校・ひきこもりへの対応を学ぶ勉強会 第4回 報告
臨床心理士 中窪 尚美
今日は、シリーズの第4回目でしたが、雨にも関わらず、新規の方1名に加え、8人の方々にご参加頂きました。
今回はより実践的に、参加者それぞれに、下記の認知行動療法の具体的な手順を踏んでお子さんの問題を整理・検討して頂きました。
� 〔簑蠅鯡棲硫修垢襦�
�◆‥�面の目標を立てる
�� その目標に向けて、今実現可能な目標を立てる
�ぁ´�の目標を達成するための方法を自由に考え出す
�ァ´い乃鵑欧進�法を吟味する。
それを通してそれぞれが、お子さんの問題に関して何に困っているのか（� 法⊆存讐椎修別槁犬浪燭�（�△鉢�）を整理されていました。また、目標を達成するために効果的かつ、実現可能な方法は何か（�ぁ砲鮓‘い垢訃賁未任蓮△覆�なか方法が浮かびにくい方もおられましたが、参加者同士で案を出し合う姿が見られました。
シリーズの４回目と回数が重なってきましたが、参加前に比べて保護者自身の考え方が前向きになったり、家族のあり方が変わってきた、といった嬉しい報告も複数聞かれました。また、勉強会終了後も残って会談される方も多く、参加者同士のつながりも更に強くなっておられるのが感じられました。
8月21日 不登校・ひきこもりへの対応を学ぶ定期勉強会（第3回目）報告
臨床心理士 中窪 尚美
今日は平日にも関わらず、新規の参加者の方3名を含め、10名の保護者の方々にお集まりいただきました。
前回の復習後、考え方をポジティブにするワークに取り組んで頂きました。まずは2グループに分かれて、いくつかの“困る状況”に対して、どんなポジティブな考え方が可能か、なるべく沢山考えて頂きました。ポイント制で対抗戦で行ったため、皆さん白熱しながら考えておられました。
次に、3グループに分かれて、お子さんの問題に関してご自分がついしてしまうネガティブな考えを、他のメンバーからポジティブに考え直してもらう、というワークを行いました。他の人のネガティブな考えをポジティブに伝え直す時、皆さん相手を励ましながら生き生きと伝えておられ、励まされたお母さん方はほっとした顔をされていたのが印象的でした。人を励ます時に、相手が自信を取り戻せるだけでなく、自分自身も支える役割を果たすことで自信を取り戻せることが感じられました。
終了後も残って会談されている参加者の方も多く、勉強会の回数が重なるにつれ、関係を深めておられるのが感じられました。
７月１０日 不登校への対応を学ぶ勉強会第２回目の報告 中窪
今日は第２回目の勉強会になりましたが、初めて参加された４名の保護者の方を加え、９名の保護者の方に参加頂きました。前半では認知行動療法に基づいたワークシートに取り組みました。よくある考えの癖の例を紹介後、自分や子どもがどれに当てはまるか振り返ってもらうと、「自分はこれが当てはまる」「子どもはこれが当てはまる」とそれぞれよく振り返っておられました。
後半では、家族療法の視点も入れ、家族の中のＡさんの考え方と行動が、Ｂさんの考え方と行動に影響を与え、更にＢさんのその考え方と行動がによってＡさんの元々の考え方と行動が更に強まってしまうという悪循環が起こることがあることを紹介しました。そして具体例として、不登校やひきこもっている家庭で、親が子どもを“しんどそうなのでそっとしておいた方がいい”と考えてそっとしておくという行動を取ると、実際は”何か後押しやきっかけがほしい”と考えている子どもは、きっかけが与えられないので自宅に居続けるという行動を取り、その行動を見た親は更に”しんどそうなのでそっとしておいた方がいい”と考えそっとしておくという行動を続ける・・・という一例を紹介しました。幾つか例を紹介する中で、参加者は自分の家族の中で起こっていることと照らし合わせて考えている様子が見られました。
初参加の方々は初めは緊張されている様子も見られましたが、段々と積極的に自分の子どものことを話されたり、意見を出されるようになり、勉強会終了後は参加者同士で親しげに話し合っておられました。勉強会を通して色々な知識や情報をお伝えするだけでなく、同様の問題を抱えている保護者同士が気持ちを共有し、楽になって頂ける機会としていきたいと思っていますので、今後も一人で悩みを抱えておられる保護者の方々に一人でも多く参加頂ければ幸いです。
６月１９日 不登校への対応を学ぶ勉強会第１回目の報告 中窪
本日は台風上陸という、あいにくの天候にも関わらず、常連のお母さん方に加え、初参加のお母さんも３名来て頂きました。
勉強会は、認知行動療法と家族療法という二つの心理療法の考え方から、自分自身やお子さんの不登校の問題を捉えなおす、という視点で進められました。認知行動療法についての話では、お母さんの認知（考え方）の癖によって、自分自身を追い詰めていないかということを振り返ってもらいましたが、「子どもを自分自身と同じようにさせないといけない（自分が行っていたと同じように学校に行かせないといけない）」、という考え方によって、苦しくなっていた、という声が複数挙げられました。
家族療法についての話では、家族療法では一つの原因があって、結果が起こる（例：親の関わり方が悪かったので、子どもが不登校になる）という単純な原因と結果の捉え方はしないこと、原因探しをすると悪者探しになるだけで解決にはつながりにくいこと、親の関わり方だけでなく学校での経験や本人の性質等様々な要因が重なって子どもは不登校になっていることを伝えると、「ほっとした」「そう考えていいんですよね」など安心した声が聞かれました。また、親も子どももお互いに相手に影響を与え合う中で悪循環に陥り不登校や引きこもりが長引くことがあること、親が何か一つ今までと違う関わり方をすることでその悪循環から抜け出られることがあることをお伝えしました。その上で、参加者が挙げてくれた自分の家族の悪循環の例について、どこから変化させていけそうかを全体で検討すると、「こうしたら」「こうしたら」と活発な意見が寄せられました。
初めての参加された方も、常連のお母さん方が、笑いを交えながらお子さんとの関係を話されるうちに、少しずつ自然にご自身のお子さんとの関係を話されるようになっていく姿が見られました。
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